日本はヨーロッパの国々と違って近代個人主義が十分に育たなかった民族と言われています。
日本はタテの結びつきが強く、ヨコのつながりは弱い民族だと指摘されます。集団的な思考は身についているのですが、個人としての意識が薄いと言われています。

このようなことを指摘されると、確かに否定できないなと感じる人が多いのではないでしょうか。

集団の結びつきが多く個人の意識が希薄なことが導き出した問題が「オレオレ詐欺」の被害です。
一時期話題になったので知っている人が多いと思います。
高齢者を狙った詐欺で、孫や子供を装って高額の振込をさせようとするものです。
警察や弁護士の名前などを出したりもするのでダマされるお年寄りは後を絶ちませんでした。
しかも高齢者が一番可愛がっている孫をダシにするのですから騙されてしまってもたしかに不思議ではありません。
それくらい日本人は家族との結びつきが強い民族だとも指摘できます。

昔はそれでも共同体の結びつきも強かったのです。
村のおまわりさんはみんなから信頼されていました。
そして住民たちも互いに信頼し合い、何か困ったことがあれば助けあって暮らしていました。
しかし、現代はこのような共同体の結びつきがなく、個人個人で生きていっています。
暗黙の信頼関係も薄れていってしまっているようです。

こうなってくると鍵やセキュリティのありかたも変わっていきます。
昔は鍵なんてかけなくても何も問題がありませんでしたが今では誰も見張ってもくれないし助けてもくれません。自分の身は自分で守るしかないのです。
個人個人でセキュリティを考えなくてはいけない時代になっています。